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2014.04.26(土)

「恋愛禁止条例」から「恋愛スルー条例」へ(その12)

 

「恋愛禁止条例」はスキャンダルが発覚しても、
運営から「スルー」されるという、
不文律として正しい在り方に軌道修正された。

だがそれで「恋愛禁止条例」が消滅したわけではない。

不文律だから、道徳として、
ファンの心の中に残ってしまったのだ!

どうも「不文律」の意味がわかってないファンが
いるようだから、もう少し説明しなければならない。

「親孝行するべきだ」「嘘をついてはいけない」
「人に迷惑かけてはならない」「食べ物を粗末にしてはいけない」
等々、これらのルールは、破っても国家権力から
違法行為として罰せられることはない。

ところが、国家権力からは「スルー」されるのに、
世間の人々は道徳的に許してくれない。

これが不文律だ。

AKBに当てはめれば、運営からは「スルー」されるのに、
ファンは道徳的に許してくれないということになる。

不文律を破ると、こそこそ陰口を言われたり、
シカトされたりするようになる。

時が経てば人々が忘れてくれて、
また親しくしてくれるかもしれないが、「信頼」は失っている。

「信頼」は一度の過ちで一挙に崩壊するが、
回復するには相当な努力が必要だ。

こんな居心地の悪い状態が続くのなら、いっそ罰を受けて、
」をした方が良いという場合だってある。

 

指原莉乃は秋元康の「神の一手」と言われるような、
温情ある移籍処分を受けた。

峯岸みなみは自ら丸刈りして謝罪し、しかも移籍処分を受けた。

二人の処分と禊はもう完全に済んだことだ。

わしは運営が工夫しながら罰を与えた方が優しいと思うのだが、
いつの間にか「スルー」して本物の不文律にしてしまった。

しかもそのルール変更の「説明責任」を果たさないから、
ファンにストレスが溜まって、スキャンダルを
起こしたメンバーへの風当たりが強くなる。

 

本当は不文律の方が残酷なのである。

AKBにおける「恋愛禁止条例」という不文律の罰は、
少なからず「ファンの恋愛感情が冷める」ということになる。

中には謝罪さえしてくれれば、推しを続けたいと願う者も
いるのだが、「スルー」されるから、
ファンは自分の中の道徳心の始末がつけられない。

 

もちろん、それでも偏見(恋愛)が醒めないファンもいる。

推しメンがピンチの時ほど燃えてしまう、
スキャンダルを「受難」として受け止め、
さらに信仰心を強化するのは、
宗教(一神教)の教義と同じ心理状態だから、
否定できるものではない。

 

世の中には「一神教タイプ」と、
執着を持たない「仏教タイプ」や、
あるいは「唯物論タイプ」の人間がいる。

AKBファンの中にも、大きく分けてこの3タイプが
いるので、それを説明して連載を終えよう。

(次回、最終回)