2014.04.17(木)
「恋愛禁止条例」から「恋愛スルー条例」へ(その5)
「恋愛禁止条例」は「不文律」とされていた。
不文律とは、暗黙の了解のことであり、
メンバーとファンの双方の心の中で
了解し合っているルールの事だ。
AKB48における「道徳」と言ってもいい。
不文律(不文法)の反対は「成文法」で、
第1条、第2条というように文章で書かれている。
この条文に違反したら、罰則があり、強制的に罰を与えられる。
だが不文律(不文法)は文書化されていない。罰則もない。
そこで不思議なのは、
AKB48の「恋愛禁止条例」は「不文律」なのに、
運営からの強制的な「罰」があったのである!
本来、不文律は道徳のようなものなので、
罰を与える強制力はない。
不文律に違反したメンバーに罰を与えようとしていたから、
その度、罰の種類が違う。
解雇したり、左遷したり、運営が勝手に決めてたのだが、
そこには情実も入っていて、
チャンスになるような罰を与えようともしていた。
「恋愛禁止条例」という不文律を違反するメンバーに、
罰をその都度与えるということ自体が
イベント化していた面がある。
つまり「恋愛禁止条例」は村の掟だったのだ!
村の掟を破った巫女には、村長が罰を与える。
実は情実もある罰だったのだが、
村民はそれで区切りをつけられる。
「そんな罰じゃ済まねえ!」と言う者もいれば、
「反省してるし、もういいでねえか」と言う者もいる。
「おら、あの子なら何をしたっていいだ」と言う者もいれば、
「おら、そもそも、あの子は悪いことなど
してねえと思うだよ」と言う者もいる。
だが、罰が与えられれば一応の区切りがついたのである。
ところがこのようなファジーな掟が通用しなくなってきた。
AKBが村から町へ規模が拡大したからである。(つづく)