米軍調査による慰安婦の実態
村山談話・河野談話に未来はあるか?
第50回 米軍調査報告に見る慰安婦の実態(その1)
慰安婦の強制性を主張する左翼学者・吉見義明が編纂した
『従軍慰安婦資料集』に収録された資料を紹介する。
今回は「アメリカ戦時情報局心理作戦班
日本人捕虜尋問報告第49号 1944年10月1日」という
資料である。
これは、ビルマ(ミャンマー)を占領した米軍が20名の
朝鮮人慰安婦と2名の日本の民間人に対する尋問から得た
情報に基づく報告書で、「はじめに」として、この報告の
意義が次のように説明されている。
この報告は、これら朝鮮人『慰安婦』を徴集するために
日本軍が用いた方法、慰安婦の生活および労働の条件、
日本軍兵士に対する慰安婦の関係と反応、
軍事情勢についての慰安婦の理解程度を示している。
つまりこの報告書では、「強制連行か否か」の徴収方法だけ
ではなく、慰安婦が置かれた状況が、本当に河野談話が
言うような「強制的な状況の下での痛ましいもの」で、
「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」ものだったのか
どうかが記されていると言っていい。
しかもこの報告書を作ったのは日本人でも朝鮮人でもない
第三者、むしろ敵国である米軍である。
事実を歪曲して日本に有利なことを書くということはありえない。
最も信憑性のある第1次資料と言っても過言ではない。
最初の「徴集」の項は、「日本の周旋業者たち」が
「慰安役務」に就く朝鮮人女性を次のように徴集したと
記している。
この「役務」の性格は明示されなかったが、それは病院にいる
傷病兵を見舞い、包帯を巻いてやり、そして一般的に言えば、
将兵を喜ばせることにかかわる仕事であると考えられていた。
これらの周旋業者が用いる誘いのことばは、多額の金銭と、
家族の負債を返済する好機、それに、楽な仕事と新天地
—-シンガポール—-における新生活という将来性であった。
このような偽りの説明を信じて、多くの女性が海外勤務に応募し、
2300円の前渡し金を受け取った。
これらの女性のうちには、「地上で最も古い職業」に
以前からかかわっていた者も若干いたが、
大部分は売春について無知・無教養であった。
「偽りの説明」で集めたのは、あくまでも周旋業者である。
しかも、この好条件の「役務」が実は何を意味しているか、
当時の大人ならわかっていたはずで、本人は知らなくとも、
家族は事情を承知していたはずである。(つづく)