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2014.03.18(火)

「強制連行」の意味がすり替えられた経緯

 

村山談話・河野談話に未来はあるか?
第35回「強制連行」の意味がすり替えられた

慰安婦の「強制連行」などなかったという事実を日韓両政府が
把握した時には、すでに宮沢首相(当時)が謝罪していたため、
政治的にどうしようもなくなっていた。

そこで両国政府の裏取引で、事実はどうあれ政治的に
日本政府が一度「強制連行」を認めて謝罪することで収めよう
…ということで、「謝罪ありき」で作成されたのが
「第2次調査」報告書だった。

そこには、ありもしない事実を認め、しなくてもいい謝罪をするために
苦心惨憺した官僚たちの創意工夫(?)の跡があった。

一番のポイントは、最大の争点であった「強制連行」の単語が
どこにもないということである。

前回詳述したとおり、その代わりに報告書は、
悪質な業者が甘言」「畏怖」など「本人の意思に反して集めるケース」が
数多かったと書いた。

 

もともとは吉田清治証言により、
日本軍が「アフリカの奴隷狩り」のように、銃剣突きつけて
暴力的に集めたものを「強制連行」と言ったのだ。

ところがその事実がない。

そこで、進んで身体を売る仕事をしたがる女性が
そんなにいるわけがなく、本人たちの意思には反していたのだから、
それを「強制連行」ということにしてしまおうとなったのだ。

ここで「強制連行」の意味のすり替えが行われた。

誰もが慰安婦とは奴隷狩り的に「強制連行」されたものだと
思い込んでいた時、それ自体を否定しないまま、
「強制連行」の中身をこっそり変えてしまったのだ。

これはその後に大変な禍根を残すことになる。

しかも「官憲等が直接これに加担」したということにしているのだが、
その根拠は裏付けのない元慰安婦証言だけなのだ。

ただし報告書の文面では、「甘言」「畏怖」などの募集をした
主体は「業者」であり、官憲等の直接関与は
ケースもみられた」程度の例外的事態だったことになっていた。

報告書では、国家の責任問題は例外的・限定的なものと
主張できる余地が辛うじて残されていたのだ。

ところがそれも、官房長官・河野洋平が無にしてしまった。

戦争論(帯アリ)

戦争論2(帯アリ)

戦争論3(帯アリ)