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2024.02.24(土)

猫は死期を察して飼い主の元を去るか?

 

昔、猫は死期を察したら、家からいなくなると思われていた。
飼い主の元を去って、死に支度をするので、賢い動物だと思っていたが、「死」の概念を知らない猫が、死期を察するなんてことはあり得ない。

室内と外を自由に往来できなくなった現代の猫は、まるで牢獄に捕らわれた存在と成り果て、完全に飼い主の玩具と化した。

そのせいで体調が悪くなると、室内の寒くて暗い場所に隠れてしまい、体内のエネルギーを温存しつつ、敵からの襲撃を逃れる警戒態勢をとる。

家で飼われて本能を封印された猫でも、体調が悪化した場合は、本能としての防御姿勢をとるのだ。
家に何匹もの猫を飼っていたら、どの猫から襲撃されるか分からない。
動物の基本は弱肉強食である。
実は人間も同じだが。

それをわざわざ動物病院に連れて行って、CT検査を行ない、手術代に100万円も負担して、延命させる富裕層がいるらしい。たぶんぼったくられたのだろう。

そこまでやっても果たして体調が元の通りに回復するかどうか?
家に何匹も猫を飼っていたら、本能として襲撃する猫から、隠れるしかないだろう。

猫に人権ならぬ基本的猫権があると思い込んで、猫は家族だと思い込むのは、寂しい人だから仕方がない。
非難するつもりはない。
だが猫なんて、どうせ人間より早く死ぬのである。
「命は宝」だとする「生命至上主義」が動物にまで延長されるのが近代のイデオロギーである。
「思想・哲学」の時代はもう来ないのだろうか?

自然に反した行為が報われることはない。
最近の人間は自然に反した行為ばかりしている。
卵子を凍結して、都合のいい時期に受精させたり、他人の腹を借りて出産させたり、挙句の果ては自分の母親の腹を借りて出産させたり、科学の力を使ってやりたい放題だ。

人間だって動物である。弱体化して、死に至る。
猫と違うのは、人間は死に支度ができるということだ。
毎日毎日、死に支度をして、その時が来たら、飼い主である読者の前から姿を消し、あっさり死ぬ。
これがわしの理想である。
それまではわしは暴れる。
どんなに人から嫌われようとも!