2023.03.14(火)
スマホの電源を切って描く
やっと『ゴー宣』第193章のわしのペン入れを終えた。
メールが次から次に来るが、いちいち読んで、返信してたら作画なんか絶対に出来ない。
手を止めたらあっという間に筆が渇くから、いちいち筆先を水につけて、インクが適度に出るように準備しなければならない。
ノッた絵を描くには、筆先を何度も乾かしてはダメだ。
だから最近はスマホの電源を切ってから描く。
1ページか2ページ、ペン入れを終えたら、電源を入れて、メールの返信を書くのだ。
どうでもいいようなメールには返信しない。
手塚治虫だって、年取ったら、円を描く曲線が震えていた。
わしの絵は曲線が多いから、集中力を何時間でも維持しなければならない。
作画だけではない。コンテを描くときだって集中力の維持は必要なのだ。
わしほどコンテに絵を書き込む漫画家も珍しいだろう。
適当でぞんざいな仕事してたら、50年間もプロとしてやっていけるわけがない。
作品はつまらなければボロカスに言われる。
人気を取れば、チヤホヤされる。
天国か地獄かしかない。
わざわざ新作を始めるよりも、一定の人気を取っている作品を描き続けた方が楽だろう。
だが、それでもわしは新たな挑戦をやり続けなければ、もう漫画家人生も長くはない。
わしは今、「愛子天皇論」を描きながらも、同時に新作のイメージを膨らませよう、その中に入り込もうとして、必死だ。
カンヅメする前に、細部までイメージを創造しておきたい。
カンヅメしたらコンテを描くだけにしたい。
スマホの電源を切っておく時間が少しずつ長くなり、カンヅメに入ったら、一週間は繋がらなくなるだろう。