式年参拝は世直し願望ではない
産経新聞の「正論」欄に載った小堀桂一郎の論説が笑える。
「式年参拝に『世直し』願望を見る」と題した文章だが、
問題は「どういう世直しを国民が望んでいるのか?」である。
それが小堀の我田引水の論によると、
安倍政権の政策こそが「世直し」という
馬鹿馬鹿しい結論になってしまう。
本年中に年間1300万人を超えるという
史上最多の伊勢神宮の参拝者は、
「お蔭参り」の再来ではないかと観測しているのだが、
無茶苦茶である。
権力の政策に対する鬱憤・閉塞的な気分が、
集団的熱狂となって伊勢神宮への「お蔭参り」に繋がるのに、
権力が期待できるなら、神頼みなんかする必要がない。
今回の参拝者の急増は、もう数年も前からマスコミで
「式年遷宮」を宣伝してきたからであって、
わしも取材して『ゴーマニズム宣言』で描いたことがある。
その時はまだ式年遷宮に対する認知度が薄かったから、
読者の反響も大きかった。
伊勢神宮がうまくコマーシャリズムに乗れたというだけのことであって、
安倍晋三もそのコマーシャリズムに乗った一人にすぎない。
そもそも伊勢神宮に祀るカミが天照大神だと知っているなら、
皇祖人が女性神だということを
もっと重大に受け止めなければならない。
皇祖神が女性。
皇統譜の世系第一が天照大神という女性神。
となれば皇位継承は
そもそもが「女系」ということになる。
小堀はこう書く。
「皇室の祖先神に向けての
此度の安倍氏の敬虔な尊崇の姿勢は、
正に劃期的と呼んでよい立派な事である。」
とてつもない阿呆な意見である。
皇統は「男系」だと主張する安倍晋三に
「皇室の祖先神」への「敬虔な尊崇の姿勢」が
あるはずがない。
ポジショントークとしての「男系絶対」に固執する
安倍晋三・小堀桂一郎らに、
そもそも式年遷宮を語る資格すらないのだ。
そのうち天罰が下るだろう!