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2020.07.22(水)

ニューヨークはPCR隔離で死者0人になった?

 

ニューヨークではPCR検査して「隔離」してるから死者ゼロになったと言っている。
ここで問題なのは「隔離」の意味だ。
ニューヨークでは「自宅隔離」らしい。
もうこれだけで意味合いが違う。

日本では自宅に籠る場合、「自宅療養」と言う。
外出したら罰金があるなら「自宅隔離」という言葉もあり得る。
ただしその場合は、「法律」の担保がいる。

つまり、日本で人権を制限するならば、憲法改正して、「緊急事態条項」を書き込むしかない。

わしは基本的に「憲法改正、緊急事態条項の記載」には賛成である。
だが、玉川徹は憲法改正に反対である。
日本人は「同調圧力」で強制力を発揮するからいいと言っていた。
これは大問題だ。日本は「八つ墓村の住民だからいい」という主張なのだ。

そこで特措法を改正せよという意見もある。
「隔離」という人権無視や、「営業停止」などの、憲法で保障された自由を、特措法に盛り込むことができるのか?
それは憲法違反にならないか?
フランスのように「憲法裁判所」があれば、たちまち憲法違反の判断を下すだろう。

さらに言うが、アメリカの「自宅隔離」は40万円の補償が出ることになっている。
40万円ももらえるなら、自宅に籠っててもいいやという者はいくらでもいるだろう。
わざと感染して40万円もらって、家で寝て暮らそうと思う者がいたって仕方がない。

もっと言うなら、ニューヨークと日本は違う。
ニューヨークには、いわゆる「ファクターX」がない。
日本人は自然免疫でコロナウィルスを撃退できるから、曝露しても、感染しても、(曝露と感染は違う)重症化する者が少ない。
したがってPCR検査にかかる膨大な費用はほとんど無駄になるのだ。

まだまだある。
ニューヨークではコロナ感染者数は4月でピークアウトしている。
膨大な犠牲者を出したが、もうとっくに終息に向かってから、PCR検査を増やしたのだ。

玉川やマスコミが「ニューヨークでPCR隔離で死者0」という情報を持ち出して来たら、ぱぱっと、これだけの問題点を思いつかなければならない。
マスコミも専門家もこれだけの「総合知」がない。
わしの『コロナ論』の発売を待つしかないだろう。