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2019.08.20(火)

昭和天皇の思いと吉田総理の判断

 

昭和天皇の国家の安全保障に関する考えがあまりにも常識に適っていてよく分かる。

国民による国家にとって、国軍を持って国民を守るのは、当然のことだ。
むしろ国軍を拒否する者なんか無責任に過ぎない。

だから再軍備は必要であり、憲法改正も必要と昭和天皇は考えた。当然のことだ。

ただし、戦時中の軍閥の復活は望まぬし、暴走しない軍隊でなければならないと昭和天皇は考えておられた。

そして吉田総理が、占領期に作られた憲法の条文のまま、軍事力を捨てた状態を許容し、憲法改正しないというのなら、米軍に守ってもらうしかないと昭和天皇が考えるのも、まったくの当然。
非の打ち所のない判断である。

ただし「敗戦責任」を猛烈に感じておられて、「反省」を国民に向かって表明し、「退位」をしたいと望まれたことは、気持ちとしては痛いほどわかるが、「天皇の戦争責任」を追及する共産党や連合国の世論が消えていない状態では、難しかっただろう。

敗戦責任は東条英機ら、東京裁判で有罪とされた者たちが負ってくれた。
天皇を守るために死んでくれた。
そして国民は敗戦後でも、圧倒的に天皇を支持していた。
天皇と共に立ち直りたいという心情があった。
だから天皇の退位を阻止した吉田総理の判断は正解だったように思う。