2013.06.28(金)
「公の秩序」の日本語の意味は国際法と違う
週刊文春を見てたら、産経新聞の阿比留瑠比がまたデマを書いている。
自民党憲法改正草案の21条2項に「公益及び公の秩序を害する」場合は、
「表現の自由」は制限できると書いてあるが、これを正当化するために、
「国際人権規約19条3項のb」を持ち出すいつものトリックだ。
最近、自称保守派の間で流行している。
「国際人権規約19条3項のb」の日本政府訳による日本語版では、
「公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳」を保護するためには、
表現の自由を制限できるとしている。
しかし、英語の原文では、この部分は
「public safety, order, health, or morals」
となっている。
原文では「public」の一語で表されているものが、
日本語訳ではなぜか「公共」「公」「公衆」の三語に分けられている。
英語の「public」は「allpeople」、つまり「みんな」という意味だ。
これに対して、日本語の「公」には「国家権力」という意味も含まれる。
だから船田元が「公の秩序」の説明で、立ち退き要請の例を出して、
「行政の執行が 速やかに進められる」と説明したのである。
自民党の改憲案では、確かに「表現の自由」が侵されるのだ。