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2019.04.17(水)

明治アナクロ保守と意固地について

 

昨日は『おぼっちゃまくん』のコンテを上げて、『よしりん辻説法』のために本を1冊読んだ。
今日は2冊目、650ページの分厚い本を読む。
本を読まないと描けないネタもあるからここで時間をとられる。

今発売中の『よしりん辻説法』も何冊も本を読んだのに、使ったのは3コマだけだった。
気軽に読めるから、下準備に時間がかかってるとは思わないだろう。

本を読むと今まで信じてきた常識(と思っていた感覚)がひっくり返されることがある。
現代社会の常識は必ずしも日本人の祖先たちの常識ではない。
明治が日本の伝統を捻じ曲げてしまった重大な転換点だから、『大東亜論』を描いて以降は、警戒して見るようにしている。

日本の自称保守派は明治以降の感覚を日本の伝統と勘違いして、明治讃美をしている連中ばかりで、「明治アナクロニズム」に陥っている。

彼らはもう勉強しないから劣化する一方だ。
「明治アナクロ保守」のままで、老眼になり、本を読むのも苦痛になり、ハズキルーペに頼ってしか勉強できない状態になり、脳の固形物化、劣化が進行するばかり。

もはや香山リカが言った「学問に憎悪を持っている」状態と言えるだろう。
あいにく香山こそが学問に憎悪を持っているペテン心理学のやぶ医者だと、わしは思っているが。
「ワンドロップルール」に対して、バカみたいな反発(反論ですらない)しか示せなくて、何が学者だ。
まあ、明治アナクロ保守の劣化脳と大して違いはないのだが。「学問に憎悪を持っている」だけだ。

わしがこんな物言いをしてると、本を読む暇もないが、社会の危うさには気づいていたいと考える誠実な市民は、自分も老眼になって本も読んでないからと、気後れしてしまうかもしれないが、そうは考えなくていい。
誰が本当に学問しているかを見抜けばいいだけだ。

日本人には明治以前からの「常識」も蓄積されているので、それは発言者の質を見抜く力にはなる。

「表現者クライテリオン」をパラパラと見ていたら、富岡幸一郎氏が「皇統を守るために」という論考を書いていて、「女性宮家の創設こそがむしろ急がれねばならないのではないか」と表明している。
昔は男系支持だったが、やっと考えを改めたようだ。
とてもいいことだ。

わしが凄いのは「昔はこう考えていたが、今は考えが変わった。それはこういう理由による」と表明できるところだ。
これは、わしが意固地じゃないこと。
そして知的誠実さがなければ公論に接近できないと考えるからである。

意固地な奴ってすごく多い。
知識人にも、一般人にも、意固地な奴って多い。
意固地族はなぜ意固地なのか?
これを分析するのも思想的な命題になるかもしれない。

発売中の『よしりん辻説法』の、りか坊のはみだし文を読んで欲しい。
あれはいい所に気がついてくれた。