2018.12.31(月)
浅羽道明「『君たちはどう生きるか』集中講義」読了
浅羽道明の「『君たちはどう生きるか』集中講義」を読んだ。
最近はネットの情報のコピペで作った日本の歴史本が組織買いかネトウヨ買いで馬鹿売れしたり、愚にもつかない道徳漫画『君たちはどう生きるか』が爆売れしたりして、読者のリテラシー能力が崩壊状態になっている。
浅羽氏によれば、『君たちはどう生きるか』は祖父母が孫のランドセルを買ってやるように、大人が子供若者に「読ませたい本」になったから爆売れしたらしい。
ところが原作の吉野源三郎の本は、あの漫画本のような単純な作品ではないらしい。
『君たちはどう生きるか』は、治安維持法下で投獄されて殺されたり、獄中で転向したり、革命を夢見た知識人が沈黙を決め込み、転向していった時代には、厳しい踏み絵のような寓話だったらしい。
本書の120pからは「よしりんは、『君たちはどう生きるか』を徹底批判する!」と題して、わしの『ゴーマニズム宣言』第12章がテキストとして使われている。
なかなか面白い分析で、いろいろ勉強になった。