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2018.11.22(木)

犬権、牛権はないが、鯨権はあるらしいぜ

 

人権が国家以前に自然権として(そもそも自然権って何じゃ?)存在すると、本気で信じている者がいるとは思わなかった。

偽善も欺瞞も排した子供の目線から見れば、じゃなんで犬権や猫権はないの?と言い出すだろうし、牛も豚も鶏も人間に食われるために生まれてきたの?牛権、豚権、鶏権はないの?と聞くだろう。

鯨権はあるから、日本の漁民の人権を無視して、捕鯨を禁じることにしたの?という疑問も出るかもしれない。

全生物の中で人間だけが権利を持っているのはなぜなの?と聞くのが「王様は裸だ!」の精神だし、イデオロギーに縛られない子供の目線だろう。

自然権と聞いて、疑問に思わないのがまたおかしい。
自然は人間をそんなに尊重しているか?
地震や津波や台風が人間を大量殺戮するこの日本に住んでいたら、
自然が人間の都合なんか一切考えてくれないことは分かるだろう。

人権なんかそういうことにしておこうというフィクションだと気付かなければおかしい。
憲法も立憲主義も近代国家も民主主義も、本来西洋の産物だ。
それを日本も取り入れることにしたのだが、いまだに民主主義も立憲主義も根付かない。

国家以前に人権があるのなら、なぜ中国にも北朝鮮にも中東にも人権がないままなのだ?
日本だって人権が100%守られている国か?
国家以前は人権が守られる世界があったのか?
あるわけないよ。
国家以前はもっと人権は無視されていたはずだ。

中国を人権無視だと批判するのは、人権イデオロギーが通用する国際社会においては、やや有効だろうが、どうせ中国にとっては痛くも痒くもないさ。
現実には、中国で100%の人権を認めたら、共産党一党独裁の体制そのものが崩壊してしまう。
そうなったときの中国は、カオスになるから、そこら中で殺し合いが始まって、人権どころではない。

秩序のない世界で人権なんか消滅するのは、イラクやシリアを見れば分かるだろう。
人権については本一冊描けるくらいの知識はあるから、
説明するのはめんどくさい。
わしの『民主主義という病い』と『堕落論』を読めば、ほぼ分かると思うのだが、みんな読解力がないから、読んでも分からないのだろう。
『ゴーマニズム宣言 2nd Season』の連載を通して、ゆっくりゆっくり分からせていくしかない。