乞食になるな、国の世話になるな
今日は5時半に目が覚め、いくら何でもこれは早過ぎると頑張って寝たつもりだが、目覚めたのが6時半、ダメだ、また睡眠不足で起きてしまった。
クーラーつけなきゃ暑いし、自動で入るようにしてたら、寒くて目覚める。
チーフ広井がクーラー入れっぱなしで、布団をかぶって寝るのが正解と言うから、やってみたが、どうしても布団をはねのけてしまう。暑いのだ。
わしは早起きしたら即、書斎に籠って仕事に集中し、2時間ほどでエネルギーを使い切って、空腹で意識朦朧としてくる。
だが、妻は9時過ぎにしか起きない。
今まで無理してわしに合わせ、朝食はちゃんと作っていたが、歳をとって、わしの体力についていけなくなったようだ。
60過ぎたら、人の体力は落ちるのが普通。
わしが4時間睡眠でガンガン仕事するから、普通はついてこれない。
これからは腹へったらすぐ即席めんを自分で作って食おうと思う。
それから周期的に数日間、ホテルに籠らなければ、わし自身の体力も危うい。
ホテルの部屋は一定の温度を保って、常に涼しい上に、朝は遮光カーテンで、真っ暗だから、いつ朝が来たのかも分からず、7時間以上、爆睡してしまう。
その上、朝食がルームサービスで食べられるから、空腹を我慢する必要もない。
この仕事のペースを守って、体調を崩さないようにするためには、即席めんを食うことも、ホテルに籠ることも必要である。
手塚治虫は自宅に帰る暇もなく、仕事場の部屋に籠って、握り飯食いながら描いていたが、結局、60歳で死んでしまった。
わしは8月で65歳、自分で自分の身体を守りながら、あと10年は描きたいし、さらに新たな漫画を創作する野望も持っている。
スタッフはちゃんとついてきているし、仕事があった方が彼らも「やりがい」があるから堕落せずに済むだろう。
人間は自分が「必要」ない存在と思うことが一番キツイということは、最近の無差別テロや、オウム信者を見てたら、分かるだろう。
「SPA!」の「貯金ゼロ円の恐怖」という特集も見たが、ちょうどわしは「FLASH」『よしりん辻説法』で「貯金」について描いている。
わしの父は「乞食になるな」「国の世話になるな」が教えだった。
うちのスタッフは将来、乞食にはならないからな。