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2018.07.03(火)

国防を楽観主義で論じることはできない

 

朝のワイドショーを見てたら、次の米朝会談がニューヨークで行われるという情報について、コメンテーターがずいぶん楽観的で、核の完全廃棄、東北アジアの平和がやがて来ると信じている様子だ。

そのように「信じる」ことは勝手だが、驚いたのは玉川徹が悲観論者をディスっていることだ!
北朝鮮が非核化するか否かというテーマは、当然、楽観論、悲観論、両方あり得るだろうが、公平中立の建て前を守らなければならないテレビのコメンテーターが、悲観論者をディスるか?
玉川徹、まるでネトウヨやネトサヨみたいな性格になったな。

玉川は「悲観論を言う人は、米朝の外交が壊れればいいと考えている人たち」とまで罵った。
はっきり言うが、わしは北朝鮮の核の完全廃棄が成ったら、それはもう大変うれしい!
トランプ大統領にノーベル平和賞をあげるべきだと思う。

ただし、金正恩はダメだ。
北朝鮮内の収容所にぶち込まれて拷問を受けている人たちがいるのに、平和賞はない。

わしは基本的には国防の問題は、「悲観論」で考えるものだと思っている。
なにしろ国民の命、国家の命運がかかってしまう問題で、楽観論に立つことなど絶対に出来ない。
玉川徹だって、家に鍵をかけているはずだ。
警戒心をなくすことなど出来ない。
ましてや、国家の安全保障がかかっている問題で、しかも自国の政権は関わらず、他国間の外交で進んでいる話だ。
全くの他人任せであるにも関わらず、なんで楽観論に立てるのだ?
普段はトランプの悪口ばっかり言ってたくせに、なんでトランプをそこまで信用できるようになった?
思考回路が全然分からない。

わしは安倍とプーチンの北方領土を巡る会談は、やっぱり主権問題が引っ掛かって、進展しなくなったなと思っているし、オバマが核廃絶宣言でノーベル平和賞をとった意味などゼロだったと思ってる。悲観論が正しかった。

今回の米朝間の外交では、なんで「リビア方式」で核廃棄を短期間に済ませないのかと疑念を持っている。

第一次大戦のあとに楽観的な平和主義が欧州を覆ったがために、ヒトラーが台頭して第二次大戦となった経緯も教訓にしている。

国防に関することで、楽観論に立つのは危険だ。
北朝鮮の核廃棄ができないならば、日本も核武装して、均衡を保つしかない。
玉川徹は、今回、徹底的な楽観論に立って、悲観論者をディスったのだから、もし核廃棄ができなかったときは、まさか日本国の核保有論に反対はしないだろうな?
なぜなら玉川徹は、楽観論で北朝鮮の核保有を応援したことになるのだから。