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2013.10.05(土)

誇大妄想狂の独白

 

今、同時に3つの仕事を並行して進めている。
SAPIO連載の『大東亜論』であり、新書の書き下ろしと、もう一冊、
日本社会に問うてみたいタブー破りの作品である。

もうわしの意識は来年に飛んでいて、描かねばならぬ作品の下準備に忙しい。

インプットしなければ 描けないのだが、 その時間も多くは取れない。

見切り発車で描き始めなければ、熟慮していたら動機の斬新さを
曇らせてしまう恐れがある。

出版会は未曽有の大不況で、本が売れなくなって久しい。

アホノミクスが 何の役に立ってるんだ、バカヤローが!

それでもわしの表現の第一手段は「本」であって、
この出版不況の中で安易な妥協はせず、魂で訴えたい内容を貫いて、
その上「売れる本」を創らなければならない。

本!本!本! あくまでも本だ!

 

AKBのCDの 売り方を見ていると、
資本主義に疑似共同体やタニマチ制度を取り込んで、応援消費させている。

本の世界でもそういう方法はないものかと考えたが、思いつかない。

わしの生写真付けても、わしの握手券付けても、誰も応援消費しない。

本は一人一冊しか買ってくれない。

一人一冊以上買ってくれる読者がいるのは宗教家だけである。

ならばいっそ宗教家になるか?

ダメだ! それでは何のために作品を描いたのか分からなくなる。

「本」はやはり売れた冊数より、読者の数の方が重要なんだ。

ましてや「本」で世の中を変えようというまでの誇大妄想を持っている狂人としては、
冊数よりも読者数を増やさねば意味がない。

そこは出版社と作家の欲望の差となる。

いや作家の方も印税が入るから応援消費は有り難いのだった。

 

だが誇大妄想狂のわしは印税よりも大きな目標が あるから厄介なのだ。