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2017.11.04(土)

慣習法化できない改正案はダメだ

 

若者は自民党が「リベラル」に見えて、旧民主党系や共産党が「保守」に見えているらしい。
年配者はこの逆に見えている。
これは肯ける分析である。 

枝野氏や立憲民主党の幹部はこれをよく考慮した方がいい。
「憲法9条を守れ」の集会に枝野氏が出るのはよいことではない。
確かに「憲法改悪を許さない」という枝野氏の発言は「改善」なら良いこということになるから、嘘は言ってない。
わしも安倍政権の憲法改正は、筋が悪い「改悪」だと思っているから、安倍政権による憲法改悪には反対である。

だが、若者が野党は「何でも反対」だから「保守」と見ていることは、もっと重要視しなければならない。
若者にとって「保守」=「現状肯定主義」=「戦後体制保守」と見られたら、「保守」という概念そのものが誤解されて、崩壊してしまう。

枝野氏がああいう集会に出て、朝日新聞に報じられると、立憲民主党はやっぱり護憲の旧社会党に堕したと思われる。
やがて自縄自縛に陥って、単なる「何でも反対」の駄々っ子の政党で終わってしまう。

「保守」というのは、戦後レジーム保守ではない。
その意味では、自民党から共産党まで、すべて戦後体制の保守に過ぎない。
本来の「保守」は「独立自尊」が基本だから、今の日本にとっては、最も過激な理念である。

わしが憲法を書いたら、この臆病だらけの日本人は誰もついて来ないだろうから、今は「一歩前進」の憲法改正で我慢しておこうと考えているだけだ。

安倍政権の憲法改正は「一歩後退」の「改悪」だから、立憲民主党が「一歩前進」の憲法「改善」を主張せねばならない。
それが出来ないなら、立憲民主党はやはり「現状肯定」の「自称保守」と、わしにも若者にも判定されるだけだ。

わしが山尾志桜里氏に賭けているのは、その「一歩前進」の憲法「改善」である。
言っておくがそれは「リベラル」を根拠にしてもダメだと思う。
なぜなら、憲法は例え「成文法」化しても、基本は「慣習法」であるからだ。
慣習法化できない憲法など、立憲主義として機能しない!
そこを今度、話し合おう。