TOC条約は、対テロ目的ではない!
今朝の朝日新聞が報じているが、TOC条約の「立法ガイド」を執筆したパッサス教授が「TOC条約は対テロ目的ではない」ということを明言している。
「テロの資金源規制は、法的拘束力を持つ国連憲章第7章に基づく国連安保理の決議などがある」と言っている。
「既存法で加盟の条件を満たすのであれば、新法の必要はない」と断言している。
なんのことはない。
やっぱりTOC条約はテロ対策の国際条約ではない。
政府が成立させたがっている「共謀罪」も、実はテロ対策になっていないのだ。
わしは法務委員会で、テロ対策と言うなら、外国から侵入するテロリストを阻止せよと訴えた。
そして共謀というが、一人で行うテロには、共謀罪は無意味である。
今まで政府は、「TOC条約に参加するため」とか「オリンピックのため」とか言ってきたが、全部嘘なのだ。
目的は一つ、「監視社会をつくるため」である。
具体的には、「権力に抵抗する者を監視するため」「国民を監視するため」「内心の自由を奪うため」でしかない。
一方、産経新聞では、権力の犬となり下がった櫻井よしこが共謀罪・大賛成の意見表明をしている。
共謀罪は、「TOC条約批准のために必要不可欠な担保法である」などと大嘘から始まる文章だ。
これがジャーナリストか?
櫻井は「現状では、テロリストが水源に毒を入れ終えなければ逮捕できない。それでは手遅れだ」などと具体例を出している。
政府の言うがままのオウム返しと化した偽ジャーナリストだ。
刑法学教授の高山佳奈子氏は「日本には共謀共同正犯の理論があり、現在ある(犯行前の段階の行為を処罰する)予備罪などと組み合わせることで、条約が求める既遂・未遂の前の段階の処罰に対応することは可能だ。条約締結のため新たな法律が必要という政府の説明には理由がない」と述べている。
政府の詭弁も、偽ジャーナリストのオウム返しも、高山氏の意見にまったく反論できない。
TOC条約は今のままの国内法を基本にして、批准できるのである!