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2017.01.02(月)

老けとテレビ画面の克明さについて

 

紅白歌合戦で、老けた歌手の後ろでアイドルや色っぽい人が
踊るのが好きじゃない。
歌手が老けてきて、単体で画面がもたなくなってきたから、
後ろで若い女をチャラチャラ踊らせるのだろうが、
気になって歌手の歌に集中できない。
あれって歌手に対して失礼ではなかろうか? 

石川さゆりは「天城越え」を単体で歌って、歌自体を盛り上げる
演出だったので良かった。
「天城越え」はもはや演歌の頂点に達する名曲になった。 

高橋真梨子の「ごめんね」が一番じっくり聴くことができた。
昔に比べてテレビの映像が良くなりすぎて、皺の一本一本まで
映るから、歌手は大変だろう。
高橋真梨子は老けたけれども歌は素晴らしかった。 

試しにネットで若い頃の「ごめんね」を聴いたのだけど、
今の歌い方のほうが感情の入れ込み方が深くて素晴らしい。
顔の表情も今の高橋真梨子の方が、老けているのに色っぽい。
あれは目を瞑って、顔を少し斜め横に傾かせるしぐさが
色っぽくなるのだ。 

しかし今どきのテレビの鮮明さは罪深い。
基本的にわしは自分が出た番組は見ないようにしているが、
「朝ナマ」などで議論の細部が頭に入って来なかった個所
などをチェックすることがある。
そのときわしの顔のどえらいアップが映ったりして、思わず
げげっと絶叫して早送りしてしまう。 

番組中に変なしぐさをするなとか、人の話を聞いている時も、
反応するわしの顔がぬかれていたりするから、ぼやっとするなとか、
色んな注意を周囲から受けるのだが、3時間も4時間も、
自分が喋ってないときまでカメラを意識してカッコつけていられる
はずがない。 

わしが番組中にカメラを意識するときは、女性の頭上にどえらい
重そうなカメラがかぶさっているときに、もしあれが落下しそうに
なったら、わしが咄嗟に席を立って、救わねばならないという
使命感に燃えているときだけだ。 

もちろん男なら無視するし、嫌いな論敵なら、落ちろ落ちろと
念力を送っている。 

わしがアップになるときは、もわっと霧がかかったような状態に
してくれんもんかね?