YOSHINORI KOBAYASHI OFFICIAL SITE | 小林よしのり公式サイト

小林よしのりオフィシャルwebサイト

PROFILE LINK CONTACT
2013.04.30(火)

転がる石のように

 

世の中が一方向に流れ始めたらもうどうにもならない。

メディアが全部追随するし、流れに逆らえば食っていけない。

かつて日本が支那事変から日米戦争に突入していったときも
同じ様相だったに違いない。

帝国主義の時代という已む無き事情があった分だけ、過去の日本人には同情できるが、
それでも 「これでいいのか?」 と警鐘を鳴らす者はいた。

圧倒的に少数者であり、顧みられることもなく、
大多数の日本人は 嬉々として破滅への道を突き進んでいったのだが。

 

今は帝国主義がグローバリズムに代わっただけで、
相変わらずナショナリズムが利用されている。

靖國参拝 も、憲法改正 も、主権回復記念日 も、そして 天皇陛下 までも、
新自由主義路線のために利用される事態となった。

産経新聞の改憲案では、皇位は男系継承である と定めるという。

天皇陛下の御意志などどこ吹く風。

王を殺すフランス革命の 「国民主権」の理念そのものだ。

空恐ろしいナショナリズムである。

 

今はAKB48に嵌ることがストレス解消になってるが、
EXILEが安倍晋三のポピュリズムに利用されるようになったのを見ると、
いずれAKBにもその日が来るのかもしれない。

AKBのコンサートにも、猪瀬直樹が登場してオリンピック招致を訴えていたが、
その猪瀬はIOC規約に違反して、ライバル招致国である

トルコのイスタンブールを貶したりする了見の狭い人間だ。

トルコは親日国なだけに、日本人が誤解される恐れがあって残念だ。

ももクロを応援する有名人が、AKBを貶す構図によく似ている。

尖閣諸島を巡って、寄付金ナショナリズムを煽った元凶も猪瀬だ。

 

上海SNH48の 宮澤佐江 が中国の就労ビザが下りず、 結局SNHとAKBとの兼任にされて、
不退転の決意をあっさり覆されてしまったことに屈辱を感じたようだが、
運営は政治に疎いのだろう。

中国なんかに手を出したら、何が起こるかわからない。

宮澤佐江 は大好きだが、特攻隊に似て純粋すぎるのが危うい。

秋元康は安倍政権のクールジャパン戦略のブレーンをしているが、
その安倍晋三は中国包囲網の形成に余念が無いのだから、
SNH48は難しい位置に立たされている。

鈴木まりや もJKT48の 仲川遥香高城亜樹 も国内に専念させればいいのに。

魅力は増してきているのに、惜しいことだ。

 

政治は文化を利用しようとする。

安倍政権はメディア戦略を周到に、着々と推し進めている。

テレビも朝から出演して、テリー伊藤 も、ビートたけし も取り込まれた。

朝日新聞 も籠絡された。

ネット も取り込まれた。

反体制としての若者文化の衰退が情けないが、文化人の質も落ちた。

ファシズムが完成されつつある状況で、権力は強大すぎて太刀打ちできないが、
わしは権力にすり寄って得したいとは微塵も思わない。

ローリング・ストーンズが50周年で北米ツアーを行うという。

ミック・ジャガーが70歳だというから驚異的だ。

歌ってる姿からは年を感じない。

転がり続けているからだろう。

転がる石のように生きていかねばならない。