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2016.10.12(水)

老いた頭脳、平川祐弘

 

『大東亜論』のコンテを終わらせ、今日から『天皇論』の
改訂版の仕事に入る。 

今朝の産経新聞の「正論」欄でも平川祐弘という老いた頭脳
の者が、天皇陛下にことごとく反対する発言を行なっている。
(身体は老いても、脳は老いない者はいるのだが) 

平川は、退位をさせてはならぬと言うのだ。
摂政にすべきと言うのだ。
「大葬の礼」も続けろと言う。
ここまで天皇陛下に盾突くなら、切腹覚悟のはずだが、
気楽に言ってるから、左翼でしかない。 

女性・女系天皇に関しては、「ラジカルなフェミニスト」の
叫びが「天の声」になる恐れがあるとしている。
小林よしのりが「ラジカルなフェミニスト」に見えるか?
身の回りの世話を、すべて女性がやってくれる「古い九州の
風土」に育ったわしが、女性・女系天皇で構わないと言って
いるのに、この平川なる人物は、わしよりも男性優位の境遇
を味わっているのか?
わしなんか台所に入っただけで妻に叱られるし、冷蔵庫を
開けたら激怒されるし、不倫はいいから、外で荷物を持つな、
女に持たせろと言われる。
体裁が悪くて、男尊女卑には飽き飽きした。 

平川は「旧宮家の復活」といまだに言っている。
奇妙なのは「女性宮家の創設」に賛成しているようだが、
これは公務のみの目的のようだ。
どうせ女性宮家の子供は女系になるから認めないのだろう。
都合のいい時だけ女性を利用しようとするこれが無意識の
男尊女卑なのだがな。
ドナルド・トランプのような奴だ。
産経新聞は「親米」のはずだが、こういう女性差別はもう
世界中で通用しなくなるのだぞ。 

平川祐弘は皇族方だけで両陛下のおつとめの代行は
可能と言っている。
これも薄っぺらい考えで、天皇の「公務」は、天皇が
「国民統合」の結節点となる上で、祭祀以上に重要なもの
なのだ。 

平川は、昭和天皇が見事だったのは退位しなかったことだ
と言っている。
昭和天皇も退位を望まれた時期もあったが、それが実現
できなかったのは、あくまでも時代背景と、典範規定の
せいに過ぎない。 

平川は、皇統は「続く」ことと「祈る」ことに意味があると
言うが、そもそも「祈り」だけでは「続かない」。
まだまだ天皇に対する思想が深まっていない幼い考えか、
あるいは老いた考えである。 

平川は、「皇室は天照大神を祖神と仰ぎ」と書いてるが、
ならば皇統は女系ではないか。
この支離滅裂さは、普段から皇室への関心が薄くて、
真剣に考えて来なかったことの現れである。
皇室について語る資格がないのだ。 

わしが『天皇論』を発表して7年、その間に天皇陛下ご自身
の「象徴天皇像」が、ほぼ完成に近づいた。
そして今だからこそ見えてきたことが多々あり、徹底的な
改訂版を出す必要が切実に生じてきた。
急がねばならない。