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2014.12.09(火)

株価と実体経済は反比例

 

どうせ自民党が勝つと判明すると、安倍政権の
経済政策の批判をブログで書く気も失せる。

どうせわしは富裕層だし、衆愚は放っておけと
思うのだが、わしがニヒリズムになると、
日本は終わるからそうもいかない。 

 

アベノミクスとやらの第一の矢は金融緩和だが、
米国が金融緩和の出口を見つけて金利を上げようと
してるときに、日本はまだ円の価値を失くす政策を
続けるようだし、巨額の年金まで株にぶち込むから、
外人投機家が日本株を買うしかなくなってる。

GDPのマイナス成長は、速報値第二弾で
もっと酷いということがわかったが、それでも
為替差益で儲ける企業があるから、
その企業の株に投機家はぶち込む。

企業は内部留保が膨張してるから賃金を上げよ
というが、輸出が伸びてるわけでもなく、
モノが売れてまっとうな商売で利益が出たわけでは
ないから、企業もベースアップは不安だろう。

その分、正社員をリストラして、非正規に
置き換えれば、ベースアップしても問題はない。

あるいは賃金を上げた分は、ボーナスで
調節すればいい。

いずれにしても正社員の給料を上げるのは、
経営者としては、今後確実に商品が売れるという
見込みがなければ上げられない。

それはわしが社長だからわかっている。

内部留保をトリクルダウンするというのは、
難しいのだ。

ましてや為替差益なら、円安が円高に激変することが
絶対ないという保証がいる。

GDPマイナスの状況では、まだまだわかりゃしない。

 

大企業も、中小企業はなおさら、設備投資して
ないではないか。

設備投資して雇用を増やすというのは、膨大な
赤字を出すリスクを背負うことになる。

まともな経営者なら非正規だけが増えて、
消費意欲が起こらない今の国民の心理を
ちゃんとわかっているだろう。

麻生氏は「今儲からないのは経営者が無能だから」
と言ってたが、政治家は一般人の経済状況なんか、
わかりゃしないのだ。

政治家だって株で大儲けしてる側なのだから。