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2017.01.13(金)

皇統の終わりの始まり

 

安倍政権は秋篠宮さまを「皇太子」処遇にするつもりらしい。
こんなことを秋篠宮殿下は望んでおられない。
天皇陛下、皇太子殿下、秋篠宮殿下は、考えを一致させるため、
月一回、この三者と宮内庁長官も交えて、会合を持っておられる。
秋篠宮殿下の考えは天皇陛下と同じなのだ。 

秋篠宮さまを「皇太子待遇」にするということは、現在の皇位
継承順位を変えるつもりがまったくないということだ。
すなわち「男系固執」継承を貫くという意思表示である。 

秋篠宮さまの「皇太弟」が決まった瞬間に、皇統が絶えることが
約束されたに等しい。
女性宮家候補の眞子さま・佳子さまが民間に下ることを容認した
ことになるからだ。 

皇位継承者の不足を補うために、一般国民から男系男子を
補充するしかあるまい。
だが、いくら数百年離れた男系男子を根拠にしたところで、
国民にとっては「どこの馬の骨じゃい?」と思うしかない。 

そもそも旧宮家系の男系男子より、旧華族の系統の男系男子
の方が血統的には現在の天皇に近いという話もある。
実際にそういう男系男子が大阪でスナックを経営している
らしい。
その男を皇族にするのか? 

それどころか神武天皇の男系男子子孫というなら、日本中に
何万人もいるだろう。
ひょっとしたら、わしもその一人かもしれない。
ようするに誰だっていいということになるのだ。 

側室がない限り、男系男子にこだわれば、必ずまた皇統の
危機が訪れる。
そのたびに民間から馬の骨を皇族にする愚策を繰り返す
ようでは、もはや天皇の権威は絶対に保証できない。
そんな天皇制など国民が敬意を払うはずがない。 

天皇が「国民の総意」に基づく象徴として、続いていくためには、
まさに今上陛下のやり方しかないのだ。
国民の敬愛心は「男系」というだけでは育たない。
秋篠宮さまの「皇太子」処遇は、皇統の終わりの始まりである。